医療・福祉

医療・福祉の不審者対策:警察と連携した不審者侵入訓練 〜安心安全のために〜

🔰【不審者侵入対応訓練 依頼手順マニュアル】

昨今、医療や福祉施設に不審者が侵入してニュースでも流れていて「何か対策しなくちゃ!」「このままじゃいけない…」そんな思いを抱きつつ、どうすればいいかわからないですよね?

この記事を読めば、誰でも簡単に不審者侵入訓練を悩まずに、しかも毎年実施できるようになります。それだけで施設の安全を守る一人の関係者として、十分な役割を担えるようになれますよ。

具体的には医療安全管理者として仕事をしてきた経験から、今回は地域の警察署と連携して不審者対応訓練を実施する手順を

  • 事前準備
  • 警察署への電話方法
  • 依頼文作成
  • 当日までの準備
  • 実施と振り返り

の順で表にまとめて詳細にお伝えします。

最後には依頼文のフォーマットも貼り付けますので、ワードやGoogleドキュメントに貼り付けて活用ください!

※地域に関係なく使える汎用フォーマットです


① 事前準備

急に「相談に乗ってください」と言われても誰だって困っちゃいますよね?

  1. どんな目的か
  2. いつやるのか
  3. 誰がやるのか
  4. どこでやるのか

は事前に明確にしておきましょう。

項目内容
✅ 実施目的現在の対策を見てもらうのか、演習を依頼するのかといった目的を明確にしておく
✅ 候補日程希望する日付と時間帯を複数候補で準備
2~3つほど候補があるのが理想)
✅ 対象者訓練に参加予定の職員や利用者の範囲を整理(例:全職員、1フロアのみ、利用者は含まないなど)
✅ 実施場所建物名、施設名、住所をすぐ伝えられるように準備しておく

 特に目的の部分は重要です。実際に不審者侵入訓練をしているところをやって見せて評価してもらうのか、警察の方に不審者を演じてもらいながら教わりたいのか。どういった訓練を思い描いているのかをチームや仲間と話して、できる限り具体的にしておきましょう。


② 最寄りの警察署へ電話連絡

不審者侵入訓練を警察と連携して行う準備ができたら、連携するための連絡段階です。

Googleで「施設住所 最寄りの警察署」で検察すれば管轄する警察署の電話番号が表示されるので、勇気を持って電話をしましょう。

かなりドキドキする瞬間ですが病院や施設を代表して安全安心のために行動する人を警察が冷遇するはずがありません。事前準備した内容を手に自信を持って連絡してください

※ただし、ここで110番で連絡は絶対NGです。もしもの時の番号ですから…

項目内容
📞 連絡先施設の所在地を管轄する最寄りの警察署に連絡(電話番号はネットや市役所で確認可能)
📌 伝え方の例不審者対応訓練を実施したい件で相談です」と伝えるとスムーズ
📅 内容確認・実施目的
・候補日程
・対象者
・実施場所
依頼文書の提出先と方法
・警察署側の必要事項があれば聞き取り

③ 依頼文書を作成・提出

警察との不審者侵入訓練のすり合わせが終わったら、依頼文書を作成して提出となります(住んでいる地域によっては指定の書式や不要な場合もあるかもしれません)。

私の安全委員としての経験上、所定の書式はなく申請者が作成してFAXや郵送となります。

作成内容は最後に添付したフォーマットを参照ください。表で文字にすると多いですが、実際は「サクっと」できちゃいます。

項目内容
📄 書式定型様式は不要。以下の項目を押さえた文書をA4 1枚で作成
内容に含める要素・件名:不審者対応訓練の依頼
・宛先:〇〇警察署長 様
・主文:訓練の実施希望と協力依頼
・実施予定日時
・場所
・対象者
・目的
・想定内容
・差出人:施設名、担当者氏名、電話番号、住所など
📤 提出方法警察署の指示に従い、FAX・郵送・持参などで提出(電話で確認)

④ 当日までの準備

いよいよ当日!…となる前に準備を進めましょう

  1. 周知:1か月前には組織内でいつ、どういった目的で実施するか周知
  2. シナリオ:目的によりますが警察にどのような流れで対応するか想定

個人的に最も重要だと思うのは周知です。

「不審者侵入訓練を警察と連携して実施する」

これって結構、普段何気なく働いている病院や施設のスタッフからするとパワーワードです。その力によって、事前に伝えておくことで実施前の段階から組織全体の不審者侵入に対する意識を上げることが可能です。

これが安心安全を築いていく大事なステップとなります。安全文化の醸成ですね。

項目内容
👥 職員への周知対象職員へ事前に訓練の目的・概要を説明し、対応のポイントも共有
📋 シナリオ作成不審者対応の流れ(想定状況)を決めておく

⑤実施と振り返り

当日を迎えたら警察の方とすり合わせを行い、不審者侵入訓練を実施します。

実施する時は恥ずかしさなどは捨てて、不審者が来た時の対応をそのまま見てもらったり、教わったりしましょう。警察の方はとても丁寧に指導してくださいます。

安心安全な組織を作るためにも素直さは大切です。

そのときに重要なのことを1つ

【メモを必ず取ること】

これ、結構大切です。

なぜならこのブログを読んでいる方は安全委員として活躍されている人が多いはず。つまり、マニュアルや実施記録も作成する立場のはずです。その場では覚えていても、忘れちゃったでは許されない。

記録と振り返りのためにもメモを忘れずに…

終了後はメモを参考にしつつ、全体の振り返りや改善点を整理して

  • 実施記録の作成
  • 改善点に基づく修正(マニュアルやフローチャートなど)
  • 必要物品の購入(さすまたなど)

を行なってください。上記の3つを行動に移してやっと警察と連携しての不審者侵入訓練は終了となりますので最後までやり切って組織の安心安全をあなたの手で築いていってください。


✍️ 依頼文書(例)

令和〇年〇月〇日

〇〇警察署長 様

〇〇施設長 〇〇〇〇

不審者侵入対応訓練実施のご依頼

平素より地域の安全・安心にご尽力いただき誠にありがとうございます。

このたび、当施設において不審者侵入を想定した対応訓練を下記の通り実施したく、貴署のご協力をお願い申し上げます。

■日時候補:〇月〇日(〇)午前10:00〜11:00  

      〇月〇日(〇)午後14:00〜15:00  

■場所:〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号 〇〇施設内  

■対象:職員〇名、利用者〇名  

■内容:不審者役を含む想定訓練及び警察官からの指導・助言  

■担当者:〇〇(〇〇施設)TEL:000-0000-0000

以上、何卒ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。


✅ 補足ポイント

  • 訓練実施は義務ではないが、施設のリスク管理上非常に有効です。
  • 年1回以上の訓練が望ましく、警察による専門的な指導を受けることで現場対応力が格段に向上します。
  • 地域によっては「学校・保育園等対応専門の係」がある場合もあるため、電話時に確認を。
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