作業療法

面接官の人間力が採用の質を決める:福祉・医療現場における面接の心得

採用面接は、単に「応募者のスキルや資格を確認する場」ではありません。

特に福祉・医療の現場では、応募者の「人となり」や「価値観」が、職場の雰囲気やチームワーク、さらには利用者との関係性に大きく影響します。

そのため、面接官自身の姿勢や観察力が採用の質を左右します。

本記事では、福祉・医療職の面接官として意識すべき心構え・観察ポイント・質問内容・人間性を引き出す会話術を具体的に整理します。
形式的な質問だけでは分からない応募者の本音を引き出すには、まず面接官自身が「人として誠実に向き合う姿勢」を示すことが大切。
挨拶や感謝の姿勢、会話のトーン、雑談を交えた自然な対話の中でこそ、応募者の「素の表情」が現れます。

この記事を通して、面接官が「人を見抜く力」と「人と向き合う力」を磨くための実践的なヒントをお伝えします。


面接官の役割と心構え

福祉・医療職における採用面接の目的は、単に「空いている枠を埋めること」ではありません。
理念や支援方針に共感し、チームの一員として長く働ける人材を見極めることが本質です。

スキルや経験は大切ですが、現場では

「どんな思いで人と関わるか」

「困難な状況でも相手を尊重できるか」

といった人間性の深い部分が成果に直結するもの。

面接官は「評価者」であると同時に、「応募者の良さを引き出す支援者」でもあります。
緊張している応募者に対して温かく接し、話しやすい空気をつくることで、表面的な受け答えの裏にある「価値観」を感じ取ることができます。

とりわけ福祉・医療の面接では、面接官自身の人間力が場の空気を決めるといっても過言ではありません。
応募者の緊張を和らげ、安心して話せる関係をつくることが、結果として本音を引き出す一番の方法です。


観察内容:言葉よりも行動に表れる“人となり”

面接で見えるのは、言葉の内容だけではありません。
その人の価値観や人柄は非言語的な行動の中に表れます。

観察のポイント

  • 仕草や姿勢:落ち着きがあるか、他者への敬意が感じられるか。姿勢が整っているかどうかも誠実さを映します。
  • 話し方:声のトーンやスピード、相手の話を聞く姿勢。落ち着いた受け答えができるか。
  • 礼節:入退室時の挨拶、言葉遣い、表情、感謝の表現。形式的でなく自然な所作かどうか。

これらは福祉・医療職において、日々の支援にも直結する部分。
例えば、患者や利用者に対しても丁寧な姿勢をとれる人は、面接時にも自然体で相手に敬意を払う傾向があります。
一方で、過度に自己主張が強い、相手の話を遮る、目線を合わせないといった態度には注意が必要です。
言葉では「チームで協力します」と言っていても、非言語的な態度がそれを裏切る場合があります。

面接官の観察力こそ、人となりを見抜く最大の鍵です。

筋肉

目線合話なかったり、挨拶しても聞こえなかったりだと疑問に感じるもんな

ヒデアキ

話している時の姿勢や仕草、声量は相手の印象に直結するね。私は言葉よりもそういった非言語的な側面の方をよく観察しています。


面接官が示すべき基礎態度

応募者の人間性を見抜く前に、まず面接官自身が誠実な態度を示すことが不可欠。
面接の冒頭での挨拶・自己紹介・言葉の選び方ひとつで、応募者の緊張の度合いは大きく変わります。

  • 「本日はお越しいただきありがとうございます」
  • 「貴重なお時間をいただき感謝します」

このような言葉を丁寧に伝えることで、応募者も自然と心を開きます。
また、質問をする際には一方的な口調ではなく、「教えてください」「お聞かせください」といった柔らかな表現を用いることが大切。

福祉や医療の面接では、応募者の「傾聴力」や「共感性」を見ることが目的ですが、それを引き出すには面接官自身が傾聴する姿勢を体現する必要があります。
誠実で温かい対話が、応募者の誠実さを引き出す土台となります。

筋肉

俺が面接官だ!!って意気込んで上から目線でやっちゃダメだな!

ヒデアキ

面接官も応募者から評価される側だからね…。

筋肉

まずは何ができるかな?

ヒデアキ

まずは応募者の方が挨拶したら、自分も挨拶すること。
そして、自分自身も自己紹介。これ絶対忘れないようにしてます。


基本項目:事務的質問と一般的質問のバランス

採用面接では、まず必要最低限の情報を把握するための「事務的質問」と、応募者の背景や考え方を知るための「一般的質問」を組み合わせることが基本です。

事務的項目
  • 通勤手段(交通手段・所要時間)
  • 保有資格(介護福祉士、作業療法士、看護師など)
  • 心身の健康状態(持病や過去の休職歴)
一般的項目
  • 志望動機
  • 自己PR
  • 退職理由
  • これまでの経験・実績
  • 今後のキャリアプラン

これらを、「過去」「現在」「未来」の時間軸で整理して質問すると効果的です。
たとえば「これまでどのような支援をしてきましたか(過去)」「今、仕事で大切にしている価値観は何ですか(現在)」「今後どのような支援者になりたいですか(未来)」という流れです。

回答の内容だけでなく、そこににじむ支援観や価値観の一貫性を見極めることが、福祉・医療現場では特に重要です。


人間性を引き出す雑談の力

事務的な質問や経歴確認だけでは、応募者の本当の姿は見えてきません。
面接の中に、少しだけ「雑談の時間」を設けることで、応募者の素顔や価値観を自然に知ることができます。

たとえば次のような質問が有効です。

  • 「休日はどのように過ごされていますか?」
  • 「最近印象に残った出来事はありますか?」
  • 「仕事をしていて楽しい瞬間はどんな時ですか?」

こうした問いに対する表情や語り口には、応募者のストレス対処法やモチベーションの源泉が表れます。
福祉・医療の現場では、支援対象者の人生に寄り添いながら働くため、心の安定性や前向きな姿勢が特に求められます。

雑談の中で見えてくる「ワクワクする瞬間」「好きなことに打ち込む姿勢」は、長期的な成長やチーム適応の指標にもなります。
面接官は、応募者の回答内容だけでなく、そこに込められた「感情の色」にも注目しましょう。


面接官の人間力が採用の質を決める

福祉や医療の面接では、形式やマニュアルに頼りすぎると「人を見抜く力」が鈍ります。
面接官と応募者の間にはどうしても上下関係が生まれやすいものですが、採用の目的は「評価すること」ではなく、「共に働く仲間を見つけること」。

良い面接官とは、応募者の発言の裏にある意図を汲み取り、否定ではなく受容の姿勢を持つ人です。
応募者の言葉を途中で遮らずに最後まで聴くことで、「この職場は自分を尊重してくれる」と感じてもらうことができます。

また、面接官自身の人間性が採用判断に影響することも少なくありません。
誠実で温かい対応ができる面接官ほど、応募者の人間的な魅力を引き出すことができます。
役職の高さではなく、人徳と洞察力を備えた面接官が最適であることを、組織としても意識しておく必要があります。

筋肉

役職者=いい面接官ってわけではないもんな

ヒデアキ

採用するしないだけでなく、お互いに出会えてよかったと思えるような場にできるようにしたいですね。


面接後の振り返りとフィードバックの重要性

採用面接は「その場」で完結するものではありません。
面接後に面接官同士で意見を共有し、観察したポイントを整理することが重要です。
たとえば次のような視点で振り返ります。

  • 応募者の印象に一貫性があったか
  • 応募者の話す内容と態度に矛盾はなかったか
  • チームとの相性はどうか
  • 面接官自身の質問や態度に改善点はないか

福祉・医療の現場は、チーム支援が基本。

採用後に「誰がどのように関わるか」をイメージしながら、チーム全体で判断を共有することがミスマッチ防止にもつながります。


まとめ:信頼関係を築く面接へ

採用面接は応募者を選ぶ場ではなく、互いを理解し合う場。
面接官が誠意と人間力をもって関わることで、応募者も安心して自分を表現できます。

人を見抜く力とは、相手を評価する力ではなく「人と真摯に向き合う力」。
支援現場で大切なのは、知識や技術以上に人を大切にする姿勢です。

福祉・医療の現場を支える面接官は、採用の入り口で「信頼関係の第一歩」を築く役割を担っています。
応募者が「この職場で働きたい」と感じる面接こそが、良い人材を引き寄せ、組織の成長を支える基盤となります。

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