臨床実習が始まる前、バイザー(実習指導者)への電話連絡は、多くの学生にとって緊張の瞬間です。
「何を話せばいいのか」
「失礼にならないか」
「言葉が詰まったらどうしよう」
──そんな不安を抱くのは当然ですが、実はこの電話連絡の時点から、あなたの実習はすでに始まっています。
電話での第一印象は、実習初日以上に強く残ることも
準備不足や言葉遣いのミスは信頼構築の妨げとなりますが、逆に事前準備と丁寧な応対は安心感と好印象を与え、実習全体をスムーズに進める土台になります。
本記事では、電話連絡の基本マナー、バイザーが実際にチェックしているポイント、失敗を防ぐ具体的な準備方法を解説します。臨床実習を控えた学生必読の実践ガイドです。
なぜ実習前の電話連絡が重要なのか

OT・PTの臨床実習は、現地に行く日からではなく、実習施設への「事前の電話連絡」から始まります。
この電話は単なる日程確認や自己紹介ではなく、あなたの態度・準備状況・コミュニケーションスキルが初めて相手に伝わる機会です。
特に医療・福祉の現場では、言葉遣いや礼儀、聞き取りやすい話し方が信頼の基礎。
第一印象が良ければ、初日の緊張も和らぎ、その後の指導も円滑になります。逆に準備不足や失礼な応対は、実習前からマイナス評価につながることがあります。
事前準備で押さえるべき3つのポイント

① 必要な情報を整理
電話前に、必ず以下をメモにまとめておきましょう。
- 氏名・学校名・学年
- 実習開始日・終了日
- 実習時間(始業・終業)
- 服装・持ち物・集合場所
- 施設までの交通手段と到着予定時刻
また、実習期間中に祝日(例:ゴールデンウィーク)が含まれる場合は、事前に学校の先生へ「その日も実習に行くのか」を確認しておくと安心です。多くの学校では、バイザーや実習地の方針に従って進めることが一般的ですが、挨拶の電話の時点でこの点を確認しておくことで、双方にとって実習がよりスムーズに進みます。
② 話す内容を台本化して練習
緊張すると言葉が出てこなくなりがちです。簡単な台本を作り、2〜3回声に出して練習すると、当日もスムーズに話せます。
- 恥ずかしい
- なんとかなるよ
- 面倒くさい
そう思っていても、実際に電話すると上手くいかないものです。
「第一印象は変えられない」ということを意識して、必ず事前練習を声に出して実施してください。
③ 電話の時間帯を考慮
業務が立て込む時間は避け、以下の時間帯を目安にしましょう。
- 午前11:00〜12:00
- 昼休みの時間帯(12:00〜13:00)
- 午後16:00〜17:00
特に病院では、昼休み前の11:30〜12:00はカルテ記入が終わり、比較的対応しやすい時間帯です。
ただし、相手の都合を完全に把握できるわけではないので、応答が難しい場合は指示された時間にかけ直しましょう。
※筆者個人としては昼休みは休みたい派なので、応対はするものの内心は複雑…という本音もあります。
電話のかけ方と話し方の基本マナー

- はっきりと名乗る
「○○大学○○学科△年の□□と申します。実習についてご連絡させていただきました」 - 適切な敬語を使う
「〜でしょうか」よりも「〜でいらっしゃいますでしょうか」が丁寧 - ゆっくり話す
緊張で早口になりがちなので、1.2倍遅く話す意識を - メモを取る
聞き漏らしを防ぐため、必ずペンとメモを用意 - 最後に復唱して締める
重要事項を確認し、「本日はありがとうございました」で終了
補足ポイント
電話を取り次がれる場合、最初に出た人とバイザーが別人であることが多いです。
受付に学校名・名前を伝えても、バイザーに再度伝えないまま話し始めてしまうケースがよくあります。
人が変わるたびに必ず自己紹介をすることを忘れないでください。
これは意外と重要です。
バイザーが電話でチェックしていること
- 準備度:必要事項を把握しているか、質問が的確か
- コミュニケーション力:聞き取りと応答がスムーズか
- マナー・態度:声のトーン、敬語、礼儀正しさから社会人としての素養を判断
実習前の電話マナーで避けるべきNG行動【チェックリスト】

実習前の電話マナーで失敗しないためには、以下3つのNG行動を避けることが重要です。
- あいまいな受け答えはNG
- 「たぶん」「だと思います」といった表現は準備不足や責任感のなさを印象づけます。
- 事前に必要な情報を整理し、明確な言葉で伝えましょう。
- 「たぶん」「だと思います」といった表現は準備不足や責任感のなさを印象づけます。
- 沈黙の放置は避ける
- 考える時間が必要でも、無言で待たせるのは失礼です。
- 「少々お待ちください」と一言添えるだけで、相手の安心感が大きく変わります。
- 考える時間が必要でも、無言で待たせるのは失礼です。
- 雑音の多い環境からかけない
- 騒がしい場所や雑踏からの通話は、聞き取りづらく誤解の原因になります。
- 静かな場所を選び、確実に情報を伝える環境を整えましょう。
- 騒がしい場所や雑踏からの通話は、聞き取りづらく誤解の原因になります。
電話が苦手な人への克服法
- 録音して練習:自分の声や話し方のクセを客観的に把握
- ロールプレイ:先輩や友人と練習し、想定外の質問にも対応できる力をつける
- 想定質問リスト作成:「集合場所」「昼食の有無」「持ち物」など事前準備
まとめ:電話マナーは実習成功への第一歩
実習前の電話連絡は、単なる儀礼ではなく信頼関係の入口です。
準備を整え、丁寧な言葉遣いと落ち着いた態度で臨めば、バイザーからの印象は格段に良くなります。その印象が、実習の雰囲気や学びの質に直結します。
緊張するのは当然ですが、「落ち着いて話せる状態」を作るためにも、準備を怠らず臨みましょう。
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